DCT20周年記念アルバム。
2CDとCD+DVDのヴァージョンがあり、自分は2CDを買った。
まず、DISC2のほうは、もちろんすばらしい。
これとベストアルバム『GREATEST HITS“THE SOUL”』で、ドリカムのライトリスナーでも、彼女らの歴史を網羅できるだろう。
「LOVE LOVE LOVE」の英語ヴァージョンなど、非常に嬉しい(脱線するが、この曲は死ぬまでに一度はLIVEで聴きたい)。
しかしこちらのほうは、言わずもがなだと思うので、この辺で話を切り上げて、「ニューアルバム」について言及したい。
まず、音楽性の豊かさに驚いた。
けっこうビートの効いている曲が多く、レゲエやブレイク・ビーツなんかも取り入れている。
この辺り、サザンの桑田もぼやいていたけれど、日本では売れているバンドが過小評価されている嫌いがあると思う。
サザンの名盤『KAMAKURA』なんて、いま発売しても十分通用すると思うけれど。
とまれ、アップトゥデートな音のクオリティは素直に評価すべきだと思う。
そして、メンバー、特に吉田美和の心境の変化、それは「成長」と呼んでもよいかもしれないけれど、そういうものを感じた。
2007年の国立競技場での大規模ライヴのたった3日後に彼女は最愛の人を亡くしている。
「TRUE, BABY TRUE - EXTENDED VERSION -」や「TO THE BEAT, NOT TO THE BEAT」辺りの楽曲には、特にその影響があるような気がする。
もちろん、これは当人たちにしかわかりようがないけれど。
ただ、そういう知識をもって臨まなくても、このアルバム全編に、ある透徹した深い哀しみのようなものが基調として流れているように感じる。
それは、このアルバムを聞いた多くの人が感じるだろう。
その辺は、もしかしたら DCT初期からのコアなファンには受けが良くないかもしれない。
しかし、作り手が人生の後半に差し向かい、太陽がゆっくりと沈んでゆく壮大な風景に向かっているのにはある必然が感じられる。
そういう意味では、ポップな意匠をまといながら、かなりタフでヘヴィーなアルバムといえる。
――そして、なんと言ったらよいだろうか、11曲目の先行シングル「GOOD BYE MY SCHOOL DAYS」のもつ、ある突き抜けた感触を。
これはもちろん「卒業ソング」でもあるのだが、ある「別れ」を歌っているのだ。
それはささやかな肯定を含んでいる。
最後の曲が、大文字の”THE LOVE SONG”ではなく、「a love song」であるのも印象的だ。